
わが国では、ITはもとよりセキュリティを業務として担う人材の不足感が10年以上前に指摘されてから、産官学でさまざまな施策が検討・実施されてきました。しかしながら、依然としてセキュリティ人材の不足感は残ったままであり、それぞれの施策の成果を見るだけではなく、その課題について検証し、その原因を仮説や検証を通じて解消していかなければなりません。
その理由として考えられるのは、セキュリティに関連した業務は専門性だけではなくカバーすべき領域も広いことから、業務内容の定義が組織においてバラバラであり、人材の採用や育成に対して共通のビジョンを持てないことがあります。また、業務内容も名前だけでは想像しにくいこともあり、異業種からの流入もしにくくなっていると考えられます。

このような状況を踏まえ、業務内容をわかりやすく具体的に定義し、身につけてほしいスキルや経験を整理することでセキュリティに業務として携わる人材に必要な能力を明らかにすることができるのではないかと考えから、人材に関する課題を議論する人材分科会がCSIJ発足当初から活動をはじめたきっかけです。
現在は、セキュリティの業務を業務内容に応じて「ロール」という形で整理し、その業務に対する知識や経験を深めていくのに必要なスキル等をまとめた「フレームワーク」とともに、組織における人材の不足を少しでも解消できることを目指して活動しています。

セキュリティの仕事を具体的に想像できない原因として、耳慣れないカナ表記によるものが多いだけではなく、業務内容を端的に整理をした資料が少ないことが挙げられます。
業務に対する解像度が低い、つまり理解が追いついていない業務は、そのキャリアを形成するのに必要な知識や経験などを考えることも難しくなるため、私たちCSIJは、セキュリティの仕事を紐解き、必要な知識や「できること」に注目したスキルを段階別に示すことで、それぞれの「ロール」を目指す方を支えることを目指しています。


CSIJの目的である環境変化に対応できるロール選定基準により、エントリーレベルの8ロールを定義しています。
セキュリティの業務を整理した「ロール」に対して、気になる部分だけに注目することは、スキルの偏りが生まれるだけではなく、組織的な人材育成の枠組みとしては不適切だと考えています。CSIJでは、より具体的に人材育成の枠組みとして活用いただけるように、ロールで定義されたジョブディスクリプションを実現するために必要な知識やスキルを無理なく習得できるように、段階的に取り組む「フレームワーク」も併せて公開しています。


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